翻訳の流れ

手話翻訳の スタートから完成まで

「正確さ」と「わかりやすさ」の両方を叶える翻訳方法。

文字が手話 (動画) に翻訳・発行されるまでには、たくさんのステップがあります。
この作業は、たった1節を翻訳する場合も、100節翻訳する場合も変わりません。 

完成までには14の段階があり、中には動画編集や理解評価チェックなど、納得いくまで何度も繰り返し行う作業も含まれます。

Step 1

事前研究
書物のジャンル(物語・詩・預言書・手紙など)や作者、時代や文化の背景、登場人物、抽象的な言葉の意味など、調べるものは星の数ほどあり、釈義チームが丹念に調べていきます。加えて、地名や人名などの手話名は決まっているか?など、それまで翻訳したものの中からデータ収集することも大切。

全て文字で書かれたものを手話に翻訳していく前準備で、どれだけの材料を揃えられるかがカギになります。
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Step 2

下訳1回目
文字だった聖句が、初めて日本手話になる瞬間です!ここでの下訳が、これからの翻訳を進めていく上でのベースになります。

釈義チームが調べた情報を翻訳者に共有し、手話表出者は全体像と詳細をきちんと把握するために、イメージを絵に描いたりしながら、日本手話に表出をしていきます。

この時注意が必要なのは「全てのろう者がわかる表現」かどうか。つまり、教会だけで使われている表現は、できるだけ避けるようにしています。そのため、抽象的な概念をどう手話に表出するか、長い議論が交わされることもしばしば。
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Step 3

動画編集・釈義チェック・修正
下訳動画をきれいにつなげて編集したあと、釈義担当者が聖書の内容と合っているかを確認。さらに手話チェック担当者が日本手話の文法で不自然な部分はないかをチェックし、手話表出者と再び集まって修正をします。

翻訳は1回すれば完成!ではありません。全体的な流れはおかしくないか?釈義的な間違いはないか?日本手話の文法的な間違いはないか?100%に近づくまで、何度も何度も修正を重ねます。
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Step 4

理解評価チェック
翻訳チーム内に新人がいる場合や、チーム内で煮詰まってしまった時には、ここで一度、数名のろう者の方々にご協力いただいて、手話表現がわかりやすいかどうか、下訳動画をご覧いただきつつフィードバックをいただきます。「どのろう者もわかる手話表現」を心がけている私たちにとって、ネイティブの方々のチェックは不可欠なのです。
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Step 5

動画編集・釈義チェック・修正
「理解評価チェック」でのフィードバックをもとに、納得いくまで何度も何度も修正を重ねていきます。
  • 原典に忠実か?
  • 日本手話の文法的に正しいか?
  • ろう者にとって違和感のある表現をしていないか?
  • 手話名や聖書用語に一貫性はあるか?
  • 誤解を生んでしまうような曖昧な表現はないか?

など、チェックすべき項目はたくさんあります。
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Step 6

コンサルタントチェック
「もう間違いないだろう」というところまで下訳が完成したら、釈義コンサルタントに提出し、聖書の原典(ヘブライ語やギリシャ語)と意味が合致しているかどうかを改めて確認してもらいます。

「釈義コンサルタント」は誰でもできる仕事ではありません。実は、ろう者の釈義コンサルタントは2019年時点で世界に3人しかいないのです。もちろん聴者の釈義コンサルタントもいますが、手話翻訳に従事している方はまだまだ数少ないのが現状です。そのため、釈義コンサルタントのスケジュールによっては、ここで待機する必要がある場合もあるんです。
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Step 7

動画編集・釈義チェック・修正
「コンサルタントチェック」でのフィードバックをもとに、合格が出るまで何度も何度も修正を重ねていきます。

釈義コンサルタントが出社できない場合は、オンラインで会議をしながら進めたり、SLTTという聖書の手話翻訳に特化したアノテーション用のウェブアプリを使用して、細かい意見交換をしていきます。
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Step 8

理解評価チェック
釈義コンサルタントが「聖書の内容の正誤チェック」なら、理解評価チェックは「ネイティブによる自然度チェック」。第一言語が日本手話の方々に集まっていただいて、表現がわかりやすいか、日本手話として自然かどうかを評価していただきます。

理解評価チェックは「クリスチャン向け」「クリスチャンでない方向け」の2回おこないます。なぜか?私たちが目指す翻訳は「全てのろう者が理解しやすい翻訳」「ろうコミュニティに受け入れられる翻訳」だからです。今までご協力いただいた方々からは鋭いご意見をいただいていて、私たちの翻訳の質を上げるためのとても良い機会になっています。
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Step 9

動画編集・釈義チェック・修正
「理解評価チェック」でのフィードバックをもとに、何度も何度も修正を重ねていきます。

文字翻訳の場合、修正自体は「一部分を削除して打ち直す」という数秒でできる作業かもしれません。ところが手話翻訳の場合、例えば名前だけを修正したくても「名前だけ収録して、その部分をカット&ペースト」してしまうと、日本手話として自然ではなくなってしまいます。一つのうなずきを追加するために、文全体を収録し直す、ということは日常茶飯事です。だからこそ、手話翻訳は時間がかかるんですね。
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Step 10

最終コンサルタントチェック
理解評価チェック後の修正で「日本手話のナチュラルさ」「わかりやすさ」を焦点に修正をしていると、どうしても釈義面での正確さがゆらぐ可能性がでてきます。そこで、釈義コンサルタントによる最終チェックがあります。
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Step 11

最終修正・最終チェック
「最終コンサルタントチェック」で合格が出るまで、何度も修正を重ねていきます。

合格が出ると、本番撮影の準備が始まります。手話表出者がシャドーイングしやすいように動画を準備したり、本番撮影ように照明やカメラを移動してセッティングしたり。チーム全体の緊張感がさらに高まります。
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Step 12

本番撮影
本番撮影では、今まで少しずつ収録していたものを、一気にきれいに収録する必要があります。ドラマの長台詞をイメージしていただければ近いかもしれません。長ければ3-5分、ノーミスで収録しなければならないことも。緊張感もひとしおです!

本番撮影で何よりも大切なのがチームワーク。
手話表出者が集中できるよう、他のチームメンバーは細心の注意を払います。照明・撮影担当、ヘアメイク担当、別室では下訳と本番撮影映像を見比べてミスがないか確認し、収録されたものはすぐに釈義コンサルタントに送られ、チェックを受けます。本番撮影は、1日で終わる場合もあれば何日も続くことも。
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Step 13

デジタル作業
釈義コンサルタントからOKが出たら、アプリ・YouTube・DVDでの公開に向けてのデジタル作業が始まります。章・節やテロップを追加し、アプリの場合は字幕のタイミングも調整。さらにアニメーションがある場合はここで追加されます。

DVDには、特典として「序論(あらすじ)」や「専門用語解説」などがついているんです!
それらも、このデジタル作業の賜物です。
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Step 14

発行
新しい翻訳を公開するとき、翻訳チームもワクワクします!アプリやYouTube、DVDなど、それぞれの媒体に合わせた準備を完了させます。何ヶ月も(ものによっては何年も)かけて、やっと日本手話になった聖書のことば。是非みなさんに見ていただきたいです!
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ひとつの書物を翻訳するのには、何ヶ月も何年も時間を要します。長期にわたって応援してくださってありがとうございます。

ローマの信徒への手紙 (9-16)
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釈義コンサルタントによるチェックを終え、6月10・12・14日に1回目の理解評価チェック、7月3-5日に2回目の理解評価チェックを予定しています。ご参加くださる方々からのフィードバックを受け、さらに質の高い翻訳につなげられますよう、お祈りください。
コリントの信徒への手紙一 (8-16)
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釈義担当による事前研究が進められています。背景知識やテーマ、一語一句の意味など、翻訳に欠かせないリサーチを十分に行うことで、手話表出者と下訳1回目に臨む際に全体像・詳細の両方がクリアになり、手話表出が初めて叶います。神様の知恵がチームの上に注がれますよう、覚えてお祈りください。
ヨシュア記 (1-12)
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5月27-29日に本番撮影を終えることができました!機械トラブル等もなく無事に遂行できたこと、関係者一同の健康が守られたこと、改めて感謝です。 現在、発行に向けて303節に及ぶ収録動画やアニメーションを編集しています。今月末までに発行できるようお祈りください。

御言葉を「本から動画へ」「文字から手話へ」翻訳するためには、たくさんの必要があります。専門性の高い知識やスキルだけでなく、高価で高質な機材や時間的なコストもかかってきます。 

JSL Bibleプロジェクトでは、まず新約聖書の翻訳を2032年までに完了することを目標としています。2024年3月現在、新約聖書の翻訳は80%完了しており、旧約聖書も合わせると、聖書全体の35%が日本手話に翻訳されています。

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